横紋筋融解症という副作用の疑いがある患者さんが来られました


先日、立て続けに横紋筋融解症の疑いのある患者さんが来られました。


一人目は、疑いは低いものの受診勧奨しました

一人目の方は、長期間リピトールを服用している患者さんでした。
最近、腕の痛みがある、との事でした。

厚生労働省の通知で以下の記載があります。

発症時の自覚症状としては、筋痛・しびれ・腫脹が生じ、筋壊死の結果
として脱力・赤褐色尿(ミオグロビン尿)が生じ、腎不全症状が加わると
無尿・乏尿・浮腫が生じる。発症は急性・亜急性・緩徐発症とその速度に
は症例差が大きい。筋痛・筋力低下の分布は下肢とくに大腿部などの近位
筋が主体である。ときには全身性の場合もあり、呼吸筋・嚥下筋が障害さ
れる場合もある。多くの場合、筋痛が先行する時期があるので、軽症のう
ちに対応することが重要である。

基本的には、服用開始後に筋肉痛などの症状が出た場合に、副作用が疑われます。
そして、主にCK値(クレアチニンホスホジエステラーゼ)などの検査値を含め、総合的に診断されます。
薬剤師としては、筋肉痛、着色尿などの症状を聴取した場合に、早期の受診を勧めることになります。

また、長期に服用されている方でも、発症は急性・亜急性・緩徐発症とその速度には症例差が大きい、と記載されていることから副作用を否定することはできません。

今回は、副作用の疑いは低いものの、血液検査などを含めた診断が必要であることを説明し、医師の受診を勧めました。

二人目の方は横紋筋融解症だった可能性が高い方


二人目の方は、横紋筋融解症の疑いがあり、既に服用を中止しておられる方でした。 

ピタバスタチンを服用後、筋肉痛の症状が出たそうです。
その後、服用を中止し症状は消失したそうです。
症状の経過をみると、横紋筋融解症だった可能性があります。
横紋筋融解症は、腎機能低下など重篤化することがあります。
今回のように、横紋筋融解症は早期発見が大切な副作用です。
この患者さんは、投与中止後コレステロールの数値が上がってしまったとのことで、今回はゼチーアが処方されていました。
患者さんは、また副作用が出てしまうのではないか、と心配されていました。
ゼチーアの添付文書によると、頻度不明ながら横紋筋融解症の副作用の記載があります。
可能性は高くはありませんが、とくに服用開始直後は筋肉痛などの症状に気を付けるようお話ししました。 

 

まとめ

横紋筋融解症を引き起こす薬としては、高脂血症の薬が有名ですが、ほかにも報告はあります。
そして、横紋筋融解症の症状は、患者さんご本人、また薬剤師も早い段階で発見できる副作用と言えます。
早期発見により医師の診察を受けることが大切です。